― フッ素の力で、生涯むし歯に強い子に育てる ―
「乳歯はいずれ抜けるから、虫歯になっても大丈夫ですか?」
お母さんや保護者の方から、よくいただくご質問です。でも実は、それは大きな誤解なのです。
乳歯の虫歯は、ただの一時的な問題ではありません。
乳歯が虫歯になったお子さんは、将来永久歯も虫歯になりやすいという研究結果があります。
なぜでしょうか?
それは、乳歯が虫歯になっている環境の中で、永久歯が育ってくるからです。
お口の中の細菌バランス、食習慣、磨き方のクセなどが、そのまま引き継がれてしまうのです。
👶カギは「3歳まで」に虫歯ゼロを目指すこと
子どもの歯の健康を守る上で、最も重要なタイミング。それが3歳までです。
この時期に虫歯を1本も作らないことが、その後の歯の健康のベースになります。
そして、それを助けてくれる強い味方が「フッ素」です。
💎フッ素ってなに?どうして虫歯予防になるの?
フッ素には、次のような効果があります:
- 歯を強くする(再石灰化を促す)
- 初期虫歯を修復する働きがある
- 虫歯菌の活動をおさえる
これらの作用で、フッ素は“歯の守り神”のような存在。
とくに小さなお子さんのやわらかい乳歯を虫歯から守るために欠かせません。
🏥 歯医者さんでの高濃度フッ素ケア
おすすめは、3ヶ月に1回、歯科医院でフッ素を塗ってもらうこと。
これは「高濃度フッ素」で、プロがしっかり塗布してくれるため、虫歯リスクが高い部分にもバッチリ届きます。
乳歯が生え始めたらスタートできますので、0歳でも早すぎるということはありません。
歯科医院によっては、赤ちゃん用の診察スペースを設けているところもありますので、安心してご相談くださいね。

🏠 おうちでできる、毎日のフッ素ケア
もうひとつ大切なのが、毎日の歯磨きにフッ素入りの歯みがき粉を使うことです。
最近では、赤ちゃん用の低濃度フッ素配合歯みがき粉(500ppm)が多く販売されています。
ただし、日本小児歯科学会では、950ppmの使用を推奨する流れになっています。市販でも入手可能ですので、ラベルをチェックしてみてくださいね。
使う量はほんの少しで大丈夫。
目安は「爪の先くらい」です。
また、「まだうがいができないんですけど…」というご心配もよく聞きますが、うがいができなくても問題ありません。
磨いた後はそのまま吐き出させるだけで大丈夫です。仮に少量飲み込んでしまっても、通常の使用量であれば中毒になるようなことはありませんのでご安心ください。

🤱「歯磨き粉をなめちゃうんですけど…」という場合は?
赤ちゃんや小さなお子さんにとって、甘いフレーバーの歯みがき粉は「おやつ感覚」でなめてしまいたくなるもの。
なめてしまっても過剰に心配しなくて大丈夫ですが、一度なめてしまったらもう一度しっかり磨き直しましょう。
✨フッ素ケア+生活習慣で、生涯むし歯に強い子に
もちろん、フッ素だけで虫歯が完全に防げるわけではありません。
それに加えて大切なのが、日々の生活習慣です。
- おやつやジュースをだらだら与えない
- 食後に口の中が休まる時間をつくる
- お茶やお水でお口をリセットする
こうしたことも、お口の健康づくりに直結します。
歯磨きのタイミングも「食後すぐ」よりは、「寝る前」がもっとも大切。
夜は唾液の分泌が減るので、虫歯リスクが高くなるためです。
🌷まとめ:3歳までの虫歯ゼロは、一生もののプレゼント
虫歯が1本もないまま3歳を迎えたお子さんは、将来も虫歯になりにくい傾向にあります。
そしてこれは、**お母さん・お父さんからお子さんへの“人生のプレゼント”**と言っても過言ではありません。
お子さんが大人になっても、歯医者さんに「治療ではなくメンテナンス」に通えるように。
そのために、乳歯の時期からしっかりと守っていくことがとても大切です。
にこにこ歯プロジェクトでは、「歯が悪くなる前」に、楽しく学んで予防できる仕組みづくりを行っています。
子どもたちの未来のために、今、できることを一緒に始めていきましょう。